おしらせ

標準電波(コールサインJJY他)の公式発射開始記念日(1月30日)におけるアマチュア無線記念局8N100ICTの運用について

2015年1月22日発表
2015年1月31日補記

1940年(昭和15年)1月6日逓信省告示第1号により、同年1月30日から標準電波(コールサインJJY、JJY2、JJY3、JJY4)の発射を行うことになったことを記念して、75周年記念日に当たる2015年1月30日(金)夕方に、常置場所(東京都小金井市貫井北町4-2-1)から、主としてHF帯のCWで8N100ICTを運用する予定ですので、お知らせいたします。

◆標準電波JJYの生い立ちについて

正確な周波数を測る基準にするために発射される標準電波は、我が国では1923年(大正12年)に、当時の海軍省が、海軍の全無線局の周波数基準を統一するために、月1回の定時発射を開始したことに始まります。その後、逓信省(総務省の前身)も1927年(昭和2年)から、全国の無線検査官が使う電波計を較正することを目的として、週1回の定時発射を始めました。その後の戦時体制下において、陸軍、海軍、逓信省が個別に発射していた標準電波を統一することになり、1940年(昭和15年)に、逓信省による週2回の定時発射に一本化されました。一本化に当たり、コールサインとして4つの周波数別にJJY〜JJY4が指定され(以下JJYと略記)、また発射方法を官報に公示して、国民が広く利用できるサービスになりました。

一方、正確な時刻を知らせるために発射される無線報時は、洋上の艦船の位置測定に使われるクロノメータ(標準時計)の時刻を較正する目的で、我が国では1911年(明治44年)に東京天文台からの有線制御により、逓信省銚子無線局から1日1回(5分間)の試験発射を開始したことに始まります。

1948年(昭和23年)には、標準電波JJYに報時信号を載せる試みが始まり、文部省・電気通信省共同告示第1号により、1949年(昭和24年)12月16日から正式運用に移行し、標準電波と無線報時を合わせ持つ今日のJJYの姿になりました。現在では、JJYは無線報時局としての機能に重心が置かれ、電波時計の較正に欠かせない存在となっています。

◆標準電波JJYの誕生日について

JJYは、1940年(昭和15年)1月6日逓信省告示第1号(官報第3897号)により、同年1月30日から発射すると公示されたことから、1月30日が公式の発射開始日とされています。ただしその2年前の1938年(昭和13年)8月に、逓信省検見川送信所に設置する標準電波局のコールサインとして、JJYが既に逓信省告示されていました。また1939年(昭和14年)3月には検見川送信所の標準電波発射施設が工事完了しましたので、この頃にはJJYのコールサインでの非公式な電波の発射は既に始まっていたものと想像されます。

一方、発足間もない日本電信電話公社(電電公社)東京無線通信部が1953年(昭和28年)3月に発行した手書き本の「検見川無線30年史」には、1940年(昭和15年)1月6日の官報公示の後、「標準電波の発射は3月1日より実施され」という記述があります。送信業務を実際に担当していた現場が執筆した記事であるため信憑性は高いと考えられますが、1月30日の「1」と「3」が入れ替わった誤記の可能性も否定できません。

以上の通り、JJYの本当の発射開始日を特定することは今となっては困難ですが、技術の進歩と電波監理の必要性から、JJYは徐々に準備されて生まれたものと考えられます。今年2015年は、JJYのコールサインが指定されてから77年、官報公示により国民が広く利用できるようになってから75年の節目に当たります。

参考文献:

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