おしらせ

独立行政法人情報通信研究機構(NICT)創立10周年・鹿島支所開設50周年・関西支所(KARC)開設25周年を記念して、期間限定の記念アマチュア無線局を開局します。

2014年3月8日

東京都小金井市の独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が、今年4月に創立10周年を迎えます。また1964年(昭和39年)に同機構の鹿島宇宙技術センター(茨城県鹿嶋市)の前身施設が開設され、同施設を経由して東京オリンピックのテレビ映像が初めて衛星中継で全世界に放送されて、今年で50年になります。さらに、1989年(平成元年)に同機構の前身組織が神戸市に基礎研究拠点「関西先端研究センター(KARC)」を開設して、今年で25年になります。これらを記念して、NICTの職員有志を中心とするアマチュア無線家が、期間限定の「記念アマチュア無線局」を、3月15日に開局することになりました。

1.NICTとアマチュア無線のかかわり

NICTが前身組織の時代から送信している標準電波は、電波時計の時刻合わせに活用される以前から、無線機の周波数を調整する基準として、全国のアマチュア無線家に活用されてきました。またNICTが電波状態の乱れを予測して発表している「宇宙天気予報」は、遠方との交信成功を目指すアマチュア無線家にとって、目を離せない情報源になっています。

2.NICT創立10周年・鹿島支所開設50周年・KARC開設25周年記念アマチュア無線局

NICTが創立10周年を迎え、また同機構鹿島宇宙技術センターの前身施設「鹿島支所」の開設及び同支所がオリンピック史上初のテレビ衛星中継に成功して50周年を迎え、さらに関西先端研究センター(KARC)が開設25周年を迎えるのを記念して、このほどNICTの職員有志を中心とするアマチュア無線家たちが実行委員会を立ち上げ、NICTの賛同を得て、記念アマチュア無線局(コールサイン8J10NICT)を、3月15日に開局することになりました。

8J10NICTを運営する実行委員会は、NICTの職員有志を始め、無線通信に関連する企業や学校に所属するアマチュア無線家によって構成されています。実行委員会は、次世代の技術者・研究者を育成する観点から、無線技術に興味を持つ青少年への啓蒙に力を入れており、以前から東京学芸大学での科学イベントにNICTの職員有志らと合同で出展してきた、東京電機大学理工学部(埼玉県鳩山町)及び東京電機大学中学校・高等学校(東京都小金井市)の無線部員らも参加します。

8J10NICTは、今年3月15日から9月15日までの6か月間、NICTの本部がある東京都小金井市を本拠地として運用するほか、ゆかりの地において移動運用もする予定です。また、地域防災訓練への参加や、展示会や科学イベントへの出展なども積極的に行い、アマチュア無線、無線通信研究の歴史、そしてその活動を支えるNICTを広くアピールする予定です。

8J10NICTに対しまして、皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

【補足1】独立行政法人情報通信研究機構(NICT)

1896年(明治29年)に、当時の逓信省電気試験所が無線電信の研究に着手したことに源流を持つ、総務省所管の公的研究機関です。戦後は、郵政省電波研究所、通信総合研究所などの変遷を経て、2004年(平成16年)4月に、通信総合研究所と通信・放送機構(TAO)が統合し、現在の組織になりました。東京電機大学とは、初代学長である丹羽保次郎博士が1916年(大正5年)に大学を卒業して逓信省電気試験所に就職し、研究者としてのキャリアをスタートした縁があります。

【補足2】1964年東京オリンピックのテレビ衛星中継

1964年(昭和39年)5月に、まだ黎明期だった人工衛星による通信技術の研究を進めるために、当時の郵政省電波研究所は現在の茨城県鹿嶋市に鹿島支所を設置しました。設置された年の10月に開催された東京オリンピックでは、NHK、電電公社(現・NTT)、KDD(現・KDDI)、NECらと協力して、都内で開催された開会式および競技の映像を、電波研究所本所(東京都小金井市)を経由して、鹿島支所に置かれた地上局から人工衛星(シンコム3号)に伝送し、米国内で生放送されたほか、同映像を受信・収録したビデオテープが空輸されて、ヨーロッパや旧ソ連など全世界でも放送されました。ケネディ大統領の暗殺を伝えた日米最初のテレビ衛星中継実験(1963年11月)からわずか1年足らずの快挙として、日本の技術力が世界中から賞賛されました。これがオリンピック史上初のテレビ衛星中継であり、今日の衛星中継全盛の時代の幕開けとなりました。

【補足3】記念局の概要


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