おしらせ

無線通信の歴史を記念する2つの期間限定アマチュア無線局が合同で、
9月12〜13日に横須賀リサーチパーク(YRP)からオンエアします

2015年9月4日

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、東京都小金井市貫井北町4-2-1)およびアンリツ株式会社(神奈川県厚木市恩名5-1-1)に勤務するアマチュア無線家有志らは、「無線通信研究アニバーサリーアマチュア無線記念局リレー実行委員会」を結成し、我が国の「無線通信研究の故郷」と称される、逓信省電気試験所平磯出張所(現・NICT平磯太陽観測施設、茨城県ひたちなか市磯崎町3601)の開設100周年等を記念する期間限定のアマチュア無線局(コールサイン8N100ICT)を、昨年12月から運用しています。

一方、日本無線株式会社(JRC、東京都三鷹市下連雀5丁目1-1)に勤務するアマチュア無線家らによる「日本無線アマチュア無線クラブ」は、無線電信法制定から始まる日本の無線の歴史100周年並びに日本無線創立100周年を記念する期間限定のアマチュア無線局(コールサイン8J100JRC)を、今年8月から運用しています。

我が国の無線通信の歴史の節目を記念するこれら2つのアマチュア無線局の関係者が集結し、9月12日(土)〜13日(日)の2日間限定で、情報通信関連の研究開発拠点が集積する横須賀リサーチパーク(YRP、 神奈川県横須賀市光の丘3-4)にアンテナを仮設し、合同で2つの無線局を運用することになりました。

明治から大正時代の無線通信の黎明期に創立し、今日まで我が国のワイヤレス技術を先導してきたNICT、アンリツ、日本無線の3社のアマチュア無線家による今回の合同オンエアは、我が国の無線通信の歴史の節目を広く紹介する珍しい活動として注目されます。

●アマチュア無線記念局について

個人的な興味に基づく無線通信や技術研究を目的とするアマチュア無線局には、1人で開設する「個人局」のほかに、複数人が合同で開設する「社団局」があり、その一種として、特別な行事の際にのみ、総務省から期間限定で免許を受けて開設する「記念局」があります。期間限定の記念局は、特別なコールサインを使い、交信相手に対して特別な交信証(QSLカード)を発行するため、全国・全世界のアマチュア無線家たちから交信希望が殺到し、交信を通じて記念内容を広くアピールする役割を果たします。また、記念内容に関連する場所に無線装置とアンテナを一時的に移動・仮設して交信する活動によって、その場所の由来を広く紹介する役割も果たします。

●我が国の無線通信の歴史の節目を記念する2つのアマチュア無線局について

電波を使って離れた地点間で情報伝送を行う無線通信技術は、120年前の1895年にイタリアのマルコーニが初めて実用化に成功し、我が国ではその翌年の1896年(明治29年)に、逓信省電気試験所(現在のNICT、国立研究開発法人産業技術総合研究所、NTTグループの研究開発部門などの共通の前身)において実験研究が始まりました。

明治時代には有線無線電信電話の事業は官営(逓信省)に限定されていましたが、1912年のタイタニック号沈没事故をきっかけに船舶無線の重要性が高まったことから、1915年(大正4年)に無線電信法および私設無線電信規則が制定され、無線局の私設が認められることになりました。同法により無線装置の需要が激増したために、無線装置の製造メーカーの拡充と、激増する無線装置を国家検定する体制の拡充とが急がれました。前者により同年に現在の日本無線(株)が創立し、後者により逓信省電気試験所の無線部門が拡充され、その一環として同年に無線技術専門の研究拠点「平磯出張所」が現在の茨城県ひたちなか市に設けられました。

アマチュア無線記念局8J100JRCは、無線電信法制定100周年並びに日本無線創立100周年の記念局として、今年8月1日にコールサインをJJ1ZXEから変更して、来年3月31日までの期間限定で運用しています。

アマチュア無線記念局8N100ICTは、NICT平磯太陽観測施設として現在も稼動している旧・平磯出張所の開設100周年などを記念する局として、昨年12月1日に開局し、今年11月30日までの期間限定で運用しています。

●横須賀リサーチパーク(YRP)について

横須賀リサーチパーク(YRP)は、郵政省(現:総務省)、横須賀市、京浜急行電鉄(株)により、NTT横須賀研究開発センタの東側に開発され、NTTドコモのR&Dセンタを始めとして、ワイヤレス技術に代表される情報通信関連の研究開発拠点が集積しています。横須賀市内には、1905年(明治38年)の日露戦争の日本海海戦における旗艦「三笠」が記念艦として保存公開されており、「敵艦見ゆ」の無線電信を発信して同海戦の勝敗を決した、安中電機製作所(現・アンリツ)製の海軍三六式無線電信機のレプリカが展示されています。

今回の合同運用は、横須賀リサーチパークアマチュア無線クラブ(コールサインJN1YRP)、並びに施設を管理する(株)横須賀テレコムリサーチパークのご協力を得て、YRPセンター1番館の屋上に仮設アンテナを立てて、2日間限定でオンエアをするものです。情報通信関連の研究開発拠点から全国・全世界に向けて、無線通信の歴史の節目を紹介する記念アマチュア無線局を2局同時に運用することは極めて珍しく、意義ある取り組みといえます。

今回の合同運用では、神奈川県近辺をはじめとする多数のアマチュア無線家との交信が期待されます。

記念アマチュア無線局の合同運用が行われるYRPセンター1番館YRPセンター1番館の屋上に仮設したアンテナ運用の様子
横須賀リサーチパーク(YRP)におけるアマチュア無線局の運用 (2014年の8J10NICT運用時)
運用協力: 横須賀リサーチパークアマチュア無線クラブ(コールサインJN1YRP)
 
横須賀リサーチパーク(YRP)における
8J100JRC × 8N100ICT 合同運用のご案内
運用日時2015年9月12日(土)午後〜13日(日)夕方  雨天決行
(無線設備の設置調整に要する時間により、運用時間は前後する場合があります)
運用場所横須賀リサーチパーク YRPセンター1番館 (神奈川県横須賀市光の丘3-4)
運用協力横須賀リサーチパーク アマチュア無線クラブ (コールサインJN1YRP)
(株)横須賀テレコムリサーチパーク
YRP研究開発推進協会
運用予定周波数帯HF〜1200MHz
※運用の現場は一般非公開です。

無線電信法100年と記念局

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