運用情報

NTT武蔵野研究開発センタ(東京都武蔵野市)において電気試験所創立125周年記念局8J125ETLを運用します。

〜東京学芸大学記念局8J1TGUも同場所から運用〜

(2017年3月11〜12日)

2017年3月8日

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の職員有志らによって構成される「電波研クラブ」は、2017年3月11〜12日に、東京都武蔵野市にある日本電信電話(株)武蔵野研究開発センタにおいて、電気試験所創立125周年記念局8J125ETLの運用を行います。

1891年(明治24年)に当時の逓信省(現・総務省)の中に設置された電気試験所は、我が国で最も早く誕生した物理工学系試験研究機関と言われ、電力、照明、電信電話などの電気用品の検定や標準、材料試験を業務とし、合わせて海外の最新技術の調査や独自の研究開発も行う機関でした。電力という国家の血管系統と、電信電話という国家の神経系統の両方の技術開発を担っていた同所は、戦後の1948年(昭和23年)に、電力、標準、検定などを扱う部門が、商工省(現・経済産業省)に移って電気試験所の名称を継承し、電信電話を扱う部門が、逓信省に残って電気通信研究所(通研)に改称しました。電気試験所はその後、検定部門を日本電気計器検定所として分離した後、研究部門は電子技術総合研究所(電総研)を経て、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)に合流しました。一方の電気通信研究所は、NTT、KDDIの各研究部門およびNICTとして独立発展していきました。このように我が国の電波・通信・エレクトロニクス系のほとんどの公的研究機関に遺伝子を遺している電気試験所が、創立から125年の節目を迎えた機会に、関係機関の無線愛好家が合同で、記念局8J125ETLを開局しました。

今回の8J125ETL運用は、電気試験所の電信電話部門を継承した電気通信研究所の後身であるNTT武蔵野研究開発センタにおいて、同センタのクラブ局JQ1YNV(武蔵野通研アマチュア無線クラブ)のアンテナ設備等を借用して、2日間限定でQRVするものです。当日は電波研クラブ(小金井市)のほか、日本無線(株)(JJ1ZXE 三鷹市)など、東京西部を本拠とする無線愛好家ら10名以上が参加して、3.5MHzから1200MHzまでの各バンド・モードにQRVする予定で、昨年12月1日に開局した8J125ETLにとっては初めての本格的な運用サービスとなります。

また当日は、8J125ETLの運用の合間に、電波研クラブの支援により開局・運用している、東京学芸大学教育学部改称50周年アマチュア無線記念局8J1TGU(ウェブサイト)も、同じ場所から運用する予定です。昨年11月1日に開局した8J1TGUの免許期間は3月31日までとなっており、最近になって新たにHF帯の送信機が増設されたばかりのため、ラストスパートをかけてサービスする予定です。

当日の運用状況につきましては、J-クラスターでリアルタイムに発信する予定ですので、ご参照下さい。当日は、東京西部をはじめとする数多くのアマチュア無線局に、この2つの記念局のサービスができることを期待しています。

 

NTT武蔵野研究開発センタにおける8J125ETL運用

運用日時2017年3月11日(土)〜12日(日) 午前〜夕方  雨天決行
(無線設備の設置調整に要する時間により、運用時間は前後する場合があります)
運用場所NTT武蔵野研究開発センタ(東京都武蔵野市緑町3-9-11)
運用協力武蔵野通研アマチュア無線クラブ(JQ1YNV)
運用予定周波数帯3.5MHz〜1200MHz
※運用場所は一般非公開です。

東京・五反田にあった電気試験所の本館(1941年撮影)
同本館は1948年に電気通信研究所になり、1949年に電気通信省の所属になった後、1950年から52年にかけて武蔵野市に移転しました(現在のNTT武蔵野研究開発センタ)。五反田の跡地は現在、NTT東日本関東病院(元・関東逓信病院)になっています。電気通信省が公共企業体(電電公社)に衣替えするにあたり、実用化研究を行っていくことになる電気通信研究所の中で電波伝搬等の基礎研究を行っていた部署を国(郵政省)に戻して発足したのが、電波研究所(現在のNICT)です。
電気通信研究所発足当時の組織図
(NTT武蔵野研究開発センタ内にある技術史料館の展示より)
電気試験所から電気通信研究所が分離された当初あった部局のうち、「電波部」、「平磯出張所」、「4電波観測所」が、後のNICTの母体になります。

電気試験所の組織変遷

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